デミタスカップのみ3Dプリンターによる作品
五、完成
デジタル陶芸による陶芸作品完成
コーヒーをいただくことができます
今まで実現できなかった陶器の姿を
3Dプリンターで作り上げる
デジタル、かつ、土の表情が現われる
3Dプリンターと伝統との融合が今始まる・・・
研究開発の進捗を順次公開中
(詳細レポートは3Dプリンターブログで公開中)
CADやモデリングソフトを使って、コンピュータデータとして3次元形状を作成し、
粉末積層型の3Dプリンターや粘土を直接吐出する3Dプリンターを使って、土を直接固めて陶磁器を作ります。
その後は、乾燥、素焼き、釉薬をかけてから1200℃以上の高温で本焼成。
古来からの伝統的な陶芸と同じです。
デジタル陶芸の最大の特徴
通常のアナログ的な陶芸の場合には、手やへらなどを使いながら
粘土を捏ねて作品を形にしていきますが、
デジタル陶芸では、市販の3Dモデリングソフトウェアなどを使って
マウスやタブレットで形を整えていきます。
利用できるソフトは無料で使えるものもありますし、
作成する作品の目指す方向によって、いろいろなタイプのソフトが利用できます。
(1)マウスなどを使って押し込んだり引っ張ったりしながら形を作るタイプ
(2)数値指定によって形状を形作っていくCADのようなタイプ
(3)デジタル陶芸向けの仮想ろくろを回し、回転体を作るタイプ「デジタルろくろ(自社開発)」
など、特色のあるソフトが利用できます。
作品のイメージや、使いやすさ、相性などで自由に選ぶことができます。
作品の形はコンピュータの中に3次元形状を3Dデータとして作成され、
ファイルとして保存、読み込み、修正、することができます。
手作業での造形とは異なり、たいていUndo(アンドゥ)機能で元の状態に
戻すことも簡単ですので、恐れずにどんどん変形させていくことができます。
できあがった3次元形状は、細かい三角形の集合体のデータ(STLデータ)として出力します。
できあがったデータは画面の中でグルグルと回して形を確認したり、
修正することができます。
最終的な造形データは専用のソフトウェアにより
デジタル陶芸用の特殊なデータに変換処理し、
データにおかしな穴が開いていないか、面の向きは正しいかなどのチェックを経て、
3Dプリンターへと送られる準備が整います。
粉末造形法では、3Dプリンターにデジタル陶芸用に調合した土パウダーと、
特別に配合したデジタル陶芸用接着液をセットし3Dプリント。
デジタル陶芸専用の3Dプリンターにより、0.1mm程度の高さごとに
断面形状をインクジェットプリントすることを繰り返しながら、
薄い層ごとに作品の形を積層して作り上げます。
造形が終わると、作品は粘土パウダーに埋まった状態になります。
乾燥・硬化を確認して造形作品を丁寧に取り出します。
作品を3Dプリンターから取り出し、十分に乾燥させます。
形状は再現できていますが、焼成前はとても壊れやすいです。
細心の注意を払いながら、筆やエアーガンなどを使って、
不要な粘土パウダーを取り除き、さらに乾燥させます。
粉末固化型の3Dプリンターをベースにしていますので、
造形に使用されずに固化しなかった部分の材料はそのまま再利用できます。
吐出造形法では、材料となる粘土をそのまま3Dプリンターにセット。
圧力をかけて粘土を細いノズルの先端から少しづつ吐出させながら形状を
作り上げていきます。
最近よく見かけるFDM型3Dプリンターの応用ですが、工場で生産される
ABSやPLAなどの樹脂フィラメントなどと違い、
天然の粘土や磁土を細くきれいに安定して吐出させるのが難しいです。
作品の大きさによって数十分から数時間で造形が完了します。
作品を十分に乾燥させてから、焼成炉で素焼きすると
色が淡いピンク色に変わります。
釉薬は市販のものなどが利用できます。
通常の陶芸と同様にフォルムと
釉薬の組み合わせを楽しめます。
釉薬が乾燥するのを待ちます。
陶芸用の焼成炉で1200℃以上の高温で焼成します。
焼成が完了すると、通常の粘土による陶芸と同様に
作品は一回り小さく焼き締まります。
ゆっくりと温度を下げ、完成です。
窯を開ける瞬間の期待感も通常の陶芸と同様です。
デジタル陶芸による陶芸作品完成
「デザイン的作品」
乾燥中の小皿
乾燥中の作品
「デザイン的作品」
「デザイン的作品」
「一般的作品」
3Dプリントし、焼成したリング
釉薬をかけて焼成した作品
デジタル陶芸作品写真
ボランティアデータ作品
デジタル陶芸作品 使用例
3Dプリンタ陶芸作品 使用例
多数の六角穴を開けた薩摩焼風の作品
標準的なカップ形状の作品
底の一部を鮮やかな青色にした作品
外周を立体的に多層表現した作品
取っ手の内側にDigitalのロゴ
益子の陶土による作品サンプル
焼成中の窯の中
素焼き作品
花を浮かべて
文鳥
色付き釉薬
色付き釉薬(青トルコ釉1)
色付き釉薬(青トルコ釉2)
色付き釉薬(黒色釉)
色付き釉薬
粉末固化造形
吐出造形中
吐出造形中
吐出造形作品(試作品)
コントローラ画面
植木鉢レリーフ
植木鉢レリーフ
植木鉢底面に加工
造形品
2006年 3月 2012年 6月 2013年 7月 2013年 9月 2013年11月 2013年12月 2015年 2月 2015年 9月 2015年11月 2016年 5月 2016年 7月 2016年 8月 2016年 9月 2016年10月 2017年 3月 2021年 9月 2022年 8月 2022年11月 2024年11月 |
Z corporation社製 フルカラー3Dプリンター Z510 初導入 Z corporation社製 フルカラー3Dプリンター Z510 2号機導入 磁土によるデジタル陶芸プロジェクト開始 デジタル陶芸 初出力成功 実験用電気焼成炉 導入 小型電気焼成炉(クマザキエイム)導入 Z corporation社製 フルカラー3Dプリンター Z450 1号機導入 Z corporation社製 フルカラー3Dプリンター Z510 3号機導入 粉末混合機導入 大型電気焼成炉(橋本電炉工業) 導入 栃木県 益子焼 岩下製陶さまご協力の下、デジタル益子焼プロジェクト開始 3DSystems社製 3Dプリンター ProJet160 1号機導入 益子焼陶土を使ったデジタル陶芸による器の食品安全性試験で「適」の評価を取得 中型電気焼成炉(ヤマト科学) 導入 デジタル陶芸 「新価値創造展2016」ものづくりゾーン出展 (東京ビックサイト) デジタル陶芸 講演会 (瀬戸窯業技術センター) 粘土吐出型3Dプリンター導入 「デジタル陶芸」商標登録 YouTubeチャンネル「デジタル陶芸」公開 真空土練機 導入 |
いくつか窯業関連施設などを見学してきましたが、
3Dプリンターによって型を作って量産する工程などが導入されつつあるようです。
せっかくなら、地元の土を使って、伝統的であり、かつ、
自由大胆な発想の陶芸を目指していただきたいと思います。
製作事例はブログのデジタル陶芸でも紹介中です。
3Dプリンター(粉末固化型) | Spectrum Z510、Z310、Z450など (Z-corporation 現3D Systems) 5台 |
---|---|
3Dプリンター(粘土吐出型) | 4台、試験試作機 1台 |
焼成炉 | 市販品 (電気炉による酸化焼成) 3台 |
真空土練機 | 市販品 (3相動力型) 1台 |
粉末混合機 | 市販品 (回転撹拌混合) |
粉末ミル | 市販品 1台 |
3Dプリンター用インクヘッドリサイクル装置 | HP11専用 (自社開発) |
使用している土は、現在、佐賀県(有田焼)、栃木県(益子焼)、愛知県(瀬戸焼)などの土を使っています。
※造形テスト・焼成テストなどをご希望の方はお問い合わせ下さい。
使用している釉薬は、現在、市販の釉薬「透明釉」などをそのまま使っています。
ろくろ、手びねり、タタラ、鋳込みに続く新しいデジタルな成型方法です。
造形後、乾燥過程や焼成過程において収縮するのは従来の製作方法でも同じですが、
3Dプリントによる造形の工程上、水平方向と鉛直方向で異なります。
といってもデジタル陶芸の世界では、予め収縮の補正をしてから造形することで、
完成イメージに合った造形をすることや、拡大・縮小も自由自在です。
まだまだ造形サイズや精密度にも制約がある発展途上ですが、
ご興味をもたれた方はお問い合わせ、ご支援、応援よろしくお願いします。
また、3Dプリント用のボランティアデータも募集中です。よろしくお願いします。
2022年10月現在、ボランティアデータの受け入れは中止しております。
造形等のご希望につきましてはご相談ください。
3Dプリンターを使ったデジタル陶芸、研究、ビジネスにご興味があれば、お問い合わせ下さい。
お問い合わせ: info@d-tougei.jp
テクニカルアドバイス | 株式会社 アイジェット さま (東京都) |
粘土の提供・アドバイス | 有限会社 渕野陶磁器原料 さま (佐賀県) |
粘土の提供・アドバイス | 岩下製陶 さま (栃木県) |
試験焼成・アドバイス | 陶磁器工房 器楽 さま (神奈川県) |
釉薬ご提供・アドバイス | 陶芸ショップ.com さま (愛知県) |
インク調整アドバイス | N さま (神奈川県) |
ポーセレンアーツ転写シートご提供 | Devotion Musashikosugiさま(神奈川県) |
Webデザイン | F さま (神奈川県) |
陶磁器デザイン | ゆう様 (愛知県) |
陶磁器デザイン | データボランティアの皆さま (全国) |
デザイン施釉焼成 | 女子美術大学さま |
粘土サンプルご提供 | 瀬戸窯業技術センター さま (愛知県) |
その他 | 多くの皆様 |
順不同での掲載です。 | ご協力ありがとうございます。 |
J大学 | 素材・形状・焼成 |
T大学 | 素材 |
一般企業 | 非公開 |
その他 | その他 |